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私は、今まで一生懸命救おうとしていた世界に絶望していた。
だって、あなたがいないから……。
紅き羽は白く、白き心は朱く染まる(後編)
「パンドラの箱から、最後に出たものは希望だったというけれど、今度はなにが出るのかしら」
「……」
サイザーの手にそっと箱を持たせた私は、玉座の上を見やった。視線の先には、パンドラの箱の鍵。
私だけのものだった、鍵と、ハーメルの入った箱。
でも、私にはもうあけることが出来ない。
サイザーがここに来る前から。
ずっと、あの瞬間から、私は少しづつ染まっていっている。
心に巣食う闇に囚われ、血よりも濃い朱(あか)へ。
世界も彼も救いたいといいながら、結局は誰一人として救うことが出来なかったから。
とてもとても大切な人を、自分のエゴで、彼は人間だったというのに、魔族として箱に封印してしまったから。
「愛しているわ。この世界も、ハーメルも…」
「なにを…」
「でもね。もう、わからなくなってしまったのよ」
狂気に蝕まれていく自分が、心地いいと感じるのは罪だろうか。
「そして、サイザー」
「え…」
「愛しているわ。純白の天使…」
ふわりと微笑んだ。
否、うまく笑えただろうか。
狂気に蝕まれて、私が私でなくなっても、私は命を絶つことすら出来ない。
なぜなら、私は今や世界の平和のための傀儡。魔族を封じたスフォルツェンドの女王という名のあやつり人形。
上辺だけの平和を演出するため飾りなのだ。
サイザーはひらりと舞い落ちた白い羽根を見て、自身の羽を見た。
「紅くない…」
そして、呆然とつぶやいた。
TO BE CONTINUED?
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アニメ版「ハーメルンのバイオリン弾き」サイザー+フルートSS、
『天秤』
『紅き羽は白く、白き心は紅く染まる(前編)』
の続きです。
ってか、やべぇ…。
また、完結しなかった…(馬鹿)
なんで!?これで完結する予定だったのに~!!(大馬鹿)
「TO BE CONTINUED?」って何? 「TO BE CONTINUED?」って~っ!!(うるさい)
ということで。
も一回ぐらい書くかも…(汗)
ところで、楽しいですか?コレ…。かきじゅんは書いてて結構楽しいですが…。
2006 かきじゅん