李ラックマ8 「にちじょう」
かくして、史鋭慶の屋敷には日常が戻った
格別いいこともなく、かといって悪いこともない。腹が立つのもいつものことで。
前と違うのは、李暫嶺がすっかり住み着いてしまったということだろうか…。
朝、夜明け前に起き、李暫嶺が作った飯を食う。
それから陳王高のくそきもちわるい顔を見て、時に機嫌を伺い執務をこなす。陳王高が遊びほうけているため溜まっていく執務を適当に采配しながら、執務をこなし、きりが無いので程よい時間に帰る。
暗殺者は李暫嶺が始末してくれているので、手は汚れない。
そして、李暫嶺がいて、明かりについている家に帰る。
ただ、なにかがぽっかり…空虚だった。
「史鋭慶?」
李暫嶺に話し掛けられて、我に返った。
「なんだ」
「いや…。静かだな」
そう言って、李ラックマ暫嶺はお茶をすすった。
「……」
史鋭慶も、無言で茶をすすった。
一人でいたときは、何をしていたのだろう…。史鋭慶は懸命に記憶を探ってみたが、思い出すのは、小リラックマ青樺のことばかり。
李ラックマ暫嶺がいるのも当たり前になってしまったし、この屋敷を小リラックマ青樺が走り回っているのも当たり前になってしまっていた…。
「…気になるのか?」
「何がだ?」
「小リラックマ青樺が…」
李ラックマ暫嶺は茶をみたまま、ぽつりと言った。
「……」
しばらくの間があって、史鋭慶は無言で部屋を出て行った。
その瞳には、決意の色があった。
「やれやれ…。やっと決心したか……」
小さく、李ラックマ暫嶺は苦笑した。
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走り回ってる小リラックマ青樺が見てみたい。
06.8.12 かきじゅん