李ラックマ7 「なかま」
それはある、実に天気のいい日の出来事だった。小リラックマ青樺は、李ラックマ暫嶺と庭に出ていた。
見慣れてしまったとはいえ、違和感のあるくまの格好…。特に、李ラックマ暫嶺。
ちなみに、小リラックマ青樺は、白いくまのきぐるみが恐ろしいほど似合っていた。
史鋭慶はぼんやりと、仲睦まじい2人を見ていた。この状況に慣れてしまってしまってきている自分が恐ろしい、今日この頃である。
ふと、李ラックマ暫嶺が何かを警戒するように身構えた。神経を研ぎ澄ますと、自分たちではない、誰かの気配…。
「青樺っ!」
ガサガサと草を踏み分け、現れたのは青軍の孟元堅。やはり見つかったかと、苦々しく思う。
「青樺!無事だったか?」
そして、少し遅れて軍師である貴沙烙。こいつまで出てきたとなると、こちらも出て行かないわけには行かない…。どうせ屋敷から自分の面は割れているのだろう。史鋭慶は諦めにも似た気持ちで、外套を翻した。
「……誰?」
「誰って…。オレだ。元堅だ!」
「李ラックマ…」
怯える小リラックマ青樺の声。そして、あいからわず直情型な元堅の声が聞こえてきた。
陶青樺を青軍に戻してやろう…。
史鋭慶は歩きながらそう思った。記憶が無いから、こちらの害にはなるまいと。それに…。
「人の屋敷でうるさい」
李ラックマ暫嶺の背に隠れる小リラックマ青樺。そして、呆然としている孟元堅。
どことなく楽しそうな貴沙烙。李暫嶺の表情は、読めなかった。
「しえーけ」
小リラックマ青樺はばぁっと顔を輝かせ、トテトテと走ってきて史鋭慶に抱きついた。
「青樺…」
ゆっくりと頭をなでると、にっこりと笑う。
「ほう。手なづけたのか?」
硬直する元堅をよそに、貴沙烙が楽しそうにのたまった。
「こいつが拾ってきた。俺には関係の無いことだ」
そういって、李暫嶺を指差した。
「しえーけ…?」
「小リラックマ…。お前の本当の仲間をあいつらだ。俺たちじゃない」
みるみるうちに涙を溜める小リラックマ青樺。
「連れて帰れ」
俺は顔をくしゃくしゃにして泣く小リラックマ青樺を無理やり引きはがし、一人で屋敷へと戻った。
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元堅パパと貴沙烙ママ登場です!
史鋭慶、小リラックマ青樺を泣かしてしまいましたね〜。
06.6.23 かきじゅん