温泉へ行こう!  第一話「みんながあの子を狙ってる」A




 建物の中は外見を裏切って、和風のホテルというか旅館の様だった。フロント、らしきものがあるが無人だ。
 「人がいたら挨拶とかしないとダメだろうし、敵がいたら大変だから数人で行動しましょう」
 ソラは玄関でくるりと振り返った。
 「そうですね」
 光子郎も辺りを見渡しながら答えた。
 「じゃあタケル君、行きましょ」
 「うん」
 最年少二人組は、手を繋いで奥のほうへと走っていく。
 「ヒカリ、気を付けてなー」
 「タ、タケル……」
 ほんの少し、切なそうな太一と、何故かその場にへたり込むヤマト。
 「ブラコン……」
 その一言を言ったのは、一体誰なのか。
 「……シスコン」
 つづいて、そう言う声も聞かれた。
 「ソラさん、2Fを調べに行きましょう」
 「え、ええ」
 ミミがソラを引っ張って2Fに消えた。
 「丈さん、僕達も行きましょう」
 「じゃ、僕達は外回りを見てくるよ」
 こくりと頷いて、そう太一たちに言付けてる丈の手を引っ張って 光子郎たちは中庭へと消えた。
 「なぁ、太一」
 「なんだよ」
 「もしかして俺たちが風呂か?」
 「そうらしいな」
 「…………」
 「いつまでもぐずってないで、行くぜ」
 そしてヤマトも、太一に腕を掴まれてさっていった。
 それを、柱の影から見ている四対の目があった。
 「ヒカリちゃん、あれで本当に大丈夫なのかなぁ」
 「大丈夫よ。それとも、信用できない?」
 「ううん」
 「タケル君と私が恋人になる為にはお兄ちゃんとヤマトさんをくっつける必要があるのよ」
 「うん、わかってるよ」
 「問題はヤマトさんの方ね。あれは少し大変かもしれないわ」
 ヒカリはブラックに呟いた。




    


あとがき

 ということで、ちょびちょび加筆・修正・・・。
 このあたりから、この小説のおかしさというか、あやしさというか・・・が加速していきます。
 次回は、風呂場でかなりお約束な、何かがおこります。
 「ヤバげ?」「ついていけんっ!」という人は、遠慮なく回れ右してくださいっ!

2006.7.7 かきじゅん