ほんのちょっとだけ…。
そう思った後の意識はなかった。
あたたかい、もぞもぞと動く何かを抱きしめて、吸い込まれていくように眠りに落ちた。
フィリアとヴァルガーヴの冬支度
〜夜明け前〜
「疲れたわ…」
ひとしきり片づけを終えたフィリアは、大きく溜息をついた。
クリスマスだからと、数日前からおもちゃや本を持ってリナが来て。
クリスマス当日には、ささやかなケーキを持ってアメリアがゼルがディスを引っ張ってきてくれていた。
たくさんの人と、プレゼント。
それから、フィリアのお手製のご馳走に、ケーキ。
ヴァルガーヴはそれはそれはうれしそうに、大事にプレゼントを抱え、ご馳走を食べた。
ついでにいうと、生ゴミ魔族のゼロスも途中から参戦…。
その後から雲行きが怪しくなったのだ。
ヴァルガーヴを早めに寝かせつけてよかった。
フィリアはしみじみと、そう思う。
そろそろ、夜が明ける。リナたちもそれぞれの客間に引き上げ、寝ているはずである。
どんちゃん騒ぎの後片付けが一区切りついて、フィリアはほんのちょっと休憩しようとソファに腰掛けた。
あたたかいストーブの火が、フィリアをやさしく包み込んでいた。
明日の…というか、もう今日だけど、朝ご飯の準備をしなくちゃと思っているのに、まぶたが重い。
「ほんのすこしだけ…」
休憩しようと、フィリアはまぶたを閉じた。
ふと目が覚めて、ヴァルガーヴはベットから降りた。
気配をたどって、ダイニングに行くと、ストーブがついている。
「フィリア…?」
呼びかけても、返事は無い。
不思議に思って回り込むと、ソファで寝てしまっているフィリアを発見した。
「寝てる…」
ヴァルガーヴはしゃがみこんで、フィリアをしばらく見ていた。
起きる気配は無い。
とても気持ちよさそうに寝ている。
それを見ていて、ヴァルガーヴは自分も眠たくなってきてしまった。
「ふぁぁぁぁ」
大きなあくびをして、フィリアの懐にもぐりこむ。
するとフィリアにぎゅっと抱きしめられて、ヴァルガーヴはそのあたたかさに目を閉じた。
END
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クリスマス&末年始連続企画
スレイヤーズ編第3段です。
クリスマス前にはこの編まで話が進んでいるはずだったのですが…(汗)。
2007.1.4かきじゅん