これはまだ、ヴァルガーヴが生まれてまもない頃の話。



おひるねびより



いい天気だった。
洗濯物を干し終わったフィリアは、その空の青さに目を細めた。
「そうだわ…」
思いついたと、フィリアは家の中へと戻り、一冊の本と持ち、ブルーのベビー服を来たヴァルガーヴを抱いて出てきた。
「あー」
眩しさに目を細め、手を上に上げる。
にぎにぎと、小さな手に太陽を掴むように動くさまをみて、フィリアは微笑んだ。

「いい天気ね、ヴァルガーヴ」
「う」
ぷにぷにのほっぺをくすぐり、大きなきの木陰に座った。

あたかい日差しが、ふたりを包む。

しだいにとろんとしたきたヴァルガ―ヴの頭をなでて、フィリアは本を開いた。




「よく寝てるわね〜」
リナはまじまじと、大きな気にもたれかかり、ぐっすりと寝ているフィリア見た。

その膝で抱っこされたまま寝ているのは、まだまだちっちゃなヴァルガーヴ。
手には読みかけの本。
庭には、白いシーツや服などがはためいていた。
「そのようですね」
ゼロスは相槌を打ち、空を見上げ細い目を目を細めた。
パチンと、ショルダーガードを外して、リナはマントを取り外した。ふわりと、 フィリアとヴァルガーヴにかけてやるその横顔は、やさしく綻んでいた。
「起きるまで待っていようか」
そういったリナにゼロスは、やっぱりそうなったかと苦笑した。
「そうですねぇ」
「二人に会いにきたのに、寝てるんだから仕方ないじゃない」
「はいはい」
強気のリナにゼロスは微笑んでみせ、大きな木にもたれかかるように並んで座った。
「あー…。眠くなるわ、こりゃ」
「そうですか?」
「そうなのよ」



ほどなくして、隣からすうすうと規則正しい呼吸音が聞こえはじめ、ことん。と、肩にかかる重さ。

「やれやれ」

ゼロスはフィリアとヴァルガーヴを見て、そしてリナを見た。
空は青く、まだ太陽も高い。
「おひるねびより……ですねぇ……」
そう、ひとりごちて、リナの肩に自分のマントをかけた。


END


拍手小説でした。
2008年2月14日?に入れ替えいたしました。
すっかり再アップするの忘れてました。やけに長い年月かかってるな・・・。

2008.5.28 小説ページに再見