『キス』

 「おやすみ。トーマ」
 小さい頃、兄さんはそういって、おやすみのキスをしてくれた。

 「兄さん」
 今は、俺が兄さんにキスをする。
 「何をするっ!」
 回し蹴りを決められそうになって、間一髪で回避した。顔を真っ赤にして、恥ずかしがっているのと、怒っているのと…。すっげーかわいいけど。
 「昔、よくしてくれたじゃないですか〜」
 先手必勝逃げるが勝ち。俺はすたこらさっさと逃げ出していく。
 「ここは職場だっ!」
 「職場じゃなかったらいいんですか?兄さん」
 「トーマッ!」
 毎回何故か起こられるけど、兄さんも本気では嫌がっていない。
 ……はず。


 


WED拍手小説でした。
2007年5月21日に入れ替えいたしました。

2007.5.30 小説ページに再見