目を惹いたのは、鮮やかな黄色。

季節はずれの向日葵だった。

少し冷たい風の中、懸命に太陽に向かって咲くその花がとても健気で、愛しい人の笑顔と重なった。

 

 李ラックマ番外編

『季節はずれのひまわりを君に』


「しえ〜け〜」
今日も今日とて、小リラックマ青樺はかわいい。
少し小柄な体を白いくまのきぐるみで包んで、ふわふわと笑う。
その笑顔に、頬が緩む。
史鋭慶は、全速力で走ってきたため桃色に頬を染める小リラックマ青樺の頬をくすぐった。
「…今帰った」
「おかえり、しえーけ」
にっこり笑う笑顔は、太陽のよう。
「…青樺」
「なに?しえーけ」
きょとんとした顔で、小リラックマ青樺は首をかしげた。
史鋭慶はぶっきらぼうに向日葵を差し出した。
冷たい風が吹くこの季節のものではない向日葵の花。一本だけ、健気に太陽に向かって咲いていた。
「わぁ…」
キラキラとした笑顔で、小リラックマ青樺は向日葵を見つめた。
触ってみたくて、ウズウズしているのが見て取れた。
「やろう…」
「ホントに?」
「ああ…」
「ありがとう、しえーけ」
向日葵もろとも小リラックマ青樺にギュッと抱きつかれて、史鋭慶は一瞬、柄にもなく固まった。
人のぬくもりが心地いいなど思ったのは、小リラックマ青樺が来てからだ。
抱きしめると太陽の香りがする体。
自分を絶対的に信頼して擦り寄ってくる、あたたかい笑顔。
史鋭慶は、ふ…とかすかに笑って、小リラックマ青樺を抱き上げた。
「屋敷に入るぞ」
どこまでもぶっきらぼうだけど、心配性な史鋭慶はそう言って、屋敷への道をたどる。
「は〜い!」
小リラックマ青樺は、元気よく返事をした。
こんな日々がつつけばいいと、史鋭慶は思った。
愛しいものと、平和で安穏な日々。
たとえそれが、偽りであったとしても…。

お前が俺のそばにいる限り、俺はお前だけを見つめていよう。

向日葵の花言葉は「あなただけをみつめる」。



END


 


☆あとがき☆
向日葵の花言葉で何か書こうと、初夏のあたりから温めていたのですが、気がついたらこんな季節でした…。

帝千の世界に向日葵があったり、花言葉があるかどうか知りませんが、まぁ、所詮ラブラブってことで…。

06.11.17 かきじゅん