過酷な運命を、恐れずに進んでいく姿に。
過酷な運命の中、前を向きひた走る彼の強さに。
私たちは未来を見る。
い「つか、平和に暮らせる世界へ。
そう願う希望と夢を見る。
未来と希望、そして夢。
「あぁ、中尉」
大佐に呼び止められて足を止めた。
「なんですか、大佐」
ほんの少し見上げると、端正な顔が苦笑した。
「鋼のが書庫にいると思うのだが、帰るときに声をかけてやってくれないか?」
「わかりました」
「よろしくたのむよ」
頷くと、大佐はいつになくやさしく微笑んで歩いていった。あの子達が来るようになって、大佐は明るくなった。
私は、昼頃に台風のようにやって来たハニーブロンドの子供を思い出し、笑みをこぼした。
夕日を浴びて、書庫の中はオレンジ色に染まっていた。
「エドワード君?」
声をかけども、反応は無い。
鋼のは本に熱中するとまわりの音が聞こえなくなる。とは、大佐から聞いた話。そんなものなのかしらと、奥に進んだ。
トレードマークの赤いコートが見えて、声をかけようとした。
「……」
しかし、瞬時にそれは思いとどまって、そっと近づいた。
すぅすぅと健やか寝息。
閉じられた瞳は、いつものやんちゃくれた印象ではなく、あどけない幼さを強調する。
オレンジ色の夕日が、守るように愛しむようにエドワード君を包んでいるような気がして、笑みがこぼれた。
「エドワード君」
そっと肩に手をかけ、その細さと小ささにほんの少し、衝撃を覚えた。
こんな小さな肩に、全てを背負っているのかと…。
「っぁ…」
「もういい時間よ」
ゆっくりと覚醒していくエドワード君に、そう言って笑いかけた。
「中尉…」
「閉めるわよ、書庫」
「えっ…。あぁ、もうそんな時間か…」
エドワード君は外の夕日を見て、おおきく伸びをした。
「よければ夕食でもどう?」
誘うと、エドワード君は満面の笑顔で頷いた。
私は、ほんの少しふきだした。
全てが終わったら、伝えようか。
あなたは未来への希望であり、私たちの夢であったのよ。
と。
END
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温泉まんじゅうHP開設祝いに書きました!!
温泉まんじゅうのHP担当流川翠月様のみお持ち帰りください。
2007.6.7 かきじゅん