突然、どうしようもなく泣きたくなる時がある。
それは本当にどうしようもない感情。
わかっている。
わかっているんだって…。
そう自分に言い聞かせ、膝を抱えて泣く。
もう少ししたら元気になるから、今だけゴメン。と、呟きながら……。
泣いて泣いて泣きやんだら
「坊ちゃん…」
ヨザックは小刻みに震える小さな背中に、そっと手を添えた。
双黒を持って、この地に舞い降りた魔王陛下。
シブヤ・ユーリ陛下。
そんなお方が、何を思って泣くのか。そんなことはわからないけど、ただ胸が痛くなるような泣きかただった。
膝を抱えて、声を押し殺して…。
「よざっく…」
小さく呟いて、ほんの少し上げた顔は涙で濡れ、痛々しいほどだった。
「大丈夫です」
ヨザックはユーリをやさしく抱き込んだ。
ゆっくりと、つややかな髪を撫でる。
「泣いて、いいんですよ」
囁いて、髪に口づけを落とした。
ひとりで泣かなくていい。
ひとりで、全てを抱え込まなくていい。
そんな思いが伝わればと……。
「ふぇ…」
ユーリは顔をくしゃくしゃにして、ヨザックの厚い胸板の顔をうずめた。
「ごめ……ヨザック……俺…」
泣きじゃくるユーリを抱きしめ、幼子をあやすようにヨザックは背を撫でた。
「大丈夫……大丈夫……」
そう小さく呟きながら、ヨザックは髪に口づけを落とした。
腕の中で小さく震える身体は、温かで。
いつも頑張りすぎるから、少し心配していたところだった。
「泣くだけ泣いちまえばいいんです、すっきりするから」
「うん…」
「誰だってそんな時があるんです」
「…ぅん」
そう囁やいて。
小さく頷いて。
その言葉の温かさににまた涙を流した。
ヨザックはユーリの細い身体を抱きしめ、ぬくもりを感じ。
ユーリは、ヨザックの腕の中で心音を聞いていた。
生きていることって、こういうことなんだな。
なぜか、そう唐突に思い、また涙が零れ落ちた。
「ごめん…涙腺ぶっ壊れたみたい」
はれぼっい顔をあげると、ヨザックは微苦笑して、
「いいですよ」
と、やさしくキスをしてくれた。
泣いて泣いて泣きやんだら。
たわいもない冗談を言って、あなたを笑わせよう。
たくさんのキスをして。
たくさんの愛を囁いて。
笑顔のあなたと、太陽の下で戯れよう。
あなたには、きっとそれが似合うから……。
思わず聖砂国編につなげるところでした…。
っていうか、おそらくつなげてしまうだろうな、自分(苦笑)。
シリアスが好きだから。
しかし、ヨザはいいキャラしてますね!
私は、ホントはコンユ推奨派ですが、ヨザ好きですよ。
書きやすいし。
2009.9.29 かきじゅん (裏日記より表にup)