ひよこ
東京といえば、ひよこ。
それから、東京バナナ。
ごまたまご。あとは、サザ○さん人形焼に、ポ○モン人形焼……ついにはかの有名な心は大人な名探偵の饅頭まであるのだとか。
東京ドームでの野球観戦の帰り道、俺は村田と土産物を物色していた。
「こうしてみると饅頭というか、人形焼が多いよな」
俺は隣にいるダイケンジャーこと村田健に声をかけた。
ただの同級生かと思いきや、向こうの世界のダイケンジャー、もとい大賢者だというのだからびっくりだ。いやはや、世間は狭い。
そういう俺もただの野球バカの高校生かと思いきや、向こうの世界では魔王陛下だったりするので、つりあいは取れているのかもしれない。
「どれもこれも、東京限定とつけば売れると思っているからでしょ」
村田はメガネをきらりと光らせ、またお土産を物色しはじめた。
「そんなもんなのか」
「そんなもんでしょ。あ、お姉さん、コレください」
村田はそんなことをいっていたわりに「東京限定プリッツ ごはんですよ」を手にとっていた。
村田が会計をしている間に俺はまた、おみやげ物に視線を向けた。
家と、野球のメンバーと…。お土産をあげる人の顔をピックアップしていく。
と。
ふと思い出したのは、向こうの世界にいるかわいい愛娘のこと。
いつスタツアが起きるかわからないから、生ものは無理だとしても人形焼の一つぐらいは持って帰ったら喜ぶんじゃないだろうか。
やっぱ、ひよこかな…。
とりあえずひよこは買うとして…。
「渋谷?」
突然真剣にお土産を物色し始めた俺に、村田は不思議そうに声をかけた。
「いや、向こうに持っていったら喜ぶかな〜と思ってさ」
「そうだね。ひよこあたりがいいんじゃない?」
そう言って、村田はふたつ入りのひよこを手にとった。パッケージにもかわいらしいひよこが描かれている。
「グエンがみたら、喜びそうだよな」
村田はくすっと笑い、
「僕も買っていこうかな…」
と、みやげ物に視線を向けた。
その後、無事ひよこを眞魔国にもっていけた俺であるが、
「こんなかわいいの、食べれないよ〜」
と、愛娘に泣かれ、
「ひよこちゃんを食うだと!!」
と、グエンに睨まれた。
あと、ひとつ発見もした。
コンラッドは爽やかな笑顔で、必ずひよこのおしりの方から食べるということを…。
なんで?
END
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温泉まんじゅうHP開設祝いに書きました!!
温泉まんじゅうのHP担当流川翠月様のみお持ち帰りください。
2007.6.7 かきじゅん