不意打ちのキス。

すべりこんできたのは、甘いあまいチョコレート。



キスチョコ


「突然、なんですか。ユーゼフ様」
睨み付けても飄々と、
「まぁ、そりゃ、バレンタインだからね」
と、恋人は笑うだけ。
睨んでも、怒っていても「セバスチャンはいつもかわいいね」ですましてしまう唯一の人物。
セバスチャンは小さくため息をついた。
忘れてるわけじゃないんだが…。と、ポケットの中の小さな箱を指でなぞった。

なんとなく、渡せないだけで――。

そんなコト、当人を前にして言えるハズもなく。
「ああ、そう言えば、そうでしたね」
と、素っ気なく応えた。
口のなかは甘いのに、心だけが苦かった。





END



あとがき
短すぎてわかりにくいですが、セバスチャンにかまってほしいユーゼフ様と、恥ずかしくて用意してあるのにチョコレートを渡すタイミングを考えあぐねているセバスチャンです。
ユーゼフさんはそんなセバスチャンが好きなので、きっとニヤニヤしてます

2011.5.27かきじゅん(裏日記up時2011.2.5)