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 ふわふわのパンケーキ。

 キラキラのはちみつ。

 大好きな人のやさしい微笑み。

 ――それは、幸せの色。


 
 
はちみつ色の幸せ



 「フィリア、いる?」
 ノックと同時に開く戸。その声と、存在感だけであの人だとわかる。
 「リナさん!」
 「リナ姉ちゃん!」
 時刻は、ちょうどお昼時。
 あつあつのパンケーキで、昼食にしようとしていたフィリアとヴァルガーヴは突然の来訪に驚いた。
 「近くまで来たもんだから」
 笑いながら、遠慮なく家に入ってくるのはいつものこと。
 「リナさんは、いつもいつも食べ物があるときに来るんですね」
 怒っているんだか、あきれているのだか解らない声色でフィリアは溜息をついた。
 この様子では、リナの分のパンケーキをうんとたくさん焼かなくてはいけない。
 「意識してきてるわけじゃないわよ。フィリア。コレ、おみやげ」
 カラカラとリナは笑って、すこし大ぶりの瓶を手渡した。
 「パンケーキだったら、丁度良かったわね」
 それは、フィリア好みのかわいらしい瓶に詰められ、キラキラと光にあたっては輝く黄金色のはちみつ。
 「わぁ…。ありがとうございます」
 「はちみつにあう香茶も買ってきたのよ。後で入れてね」
 「ええ」
 さすがに短くない付き合いで、ツボと好みは熟知している。あとはほんのちょっとのあきらめ。
 リナは近くにあった椅子に腰をおろし、フィリアはリナの分のパンケーキを焼くためにキッチンへと引っ込んだ。
 ヴァルガーヴはうずうずとしながらその瓶を見上げていた。
 「はちみつって、どうやって作るの?」
 「はちみつはね、ミツバチが花の蜜をあつめたものなのよ。…そういえば、ここに来る途中にミツバチの巣があったわ」
 好奇心からか、キラキラと目を輝かせて、ヴァルガーヴはリナを見上げた。
 「それって、どこ?」
 「ここ出てすぐの街道の…」
 「ヴァルガーヴ、リナさん!」
 場所を説明しようとして、さっそく焼きたてのパンケーキをもってきたフィリアに怒られた。
 「食べてからにしてください!」
 「はい…」
 いそいそ、テーブルに座りなおして、手をあわせた。
 「いただきます」
 熱々のパンケーキにかける、キラキラの黄金色のはちみつ。
 大好きなフィリアの瞳と一緒の色。
 キラキラしていて、頬張ればほんのり甘い。
 ヴァルガーヴは、それはそれはうれしそうにパンケーキを頬張り、フィリアはやさしく微笑んでいた。


 END

 


あとがき。
皆様のおかげで、はにコネもめでたく10000ヒットを迎えることが出来ました。

本当にありがとうございました。
アンケートや拍手で、ヴァルフィリのことに関してよくメッセージを頂いたので、ヴァルフィリにしてみました(笑)。いかがでしたでしょうか?
2007.3.23 かきじゅん

フリー期間は終了しました。ありがとうございました。