ハロウィン・ナイト(ユーセバ編)?
「Trick or treat」
静まり返った夜中に、背後から囁くような声。
「もうありませんよ。さっき、全てあげてしまいましたからね」
振り返らなくても声だけでわかる。
自身が勤める屋敷の向かいの屋敷に住む、黒い噂の絶えない恋人。
「じゃあ、Trick?」
クスクスと笑う声。
みなくても分かる表情は、きっと口元だけ楽しそうに笑っているに違いない。
セバスチャンは嘆息し、
「そのつもりだったのでしょう。ユーゼフ様?」
と、振り返った。
「さぁ、どうだろうね」
ゆっくりと二つの影が重なり、月明かりが二人を照らした。
窓に置かれたジャック・オー・ランタンが、月明かりをあびてにやりと笑った。
周りで蠢くお化けたちは、そおっと二人の周りでおどけてみせた。
そおっと、普段は恐い彼らを祝福するように。
そおっと、普段は恐い彼らをからかうように。
今宵は特別な夜。
ハロウィン・ナイト。
END
あとがき
仕事は忙しいのですが、妄想するぐらいの気持ちの余裕が出来たので書いてみる。
恥ずかしい奴らだまったく(じゃぁ、書くな)。
2007.10.30 かきじゅん