「ねえハジキお兄ちゃん。小百合のお願いを聞いて欲しいの」
 そう言って小百合はハジキの前に現れた。



 ナイトタウンの裏の裏で



 授業が終わって、今日は仕事がないから久しぶりにクラスメートと遊ぼうと思っていた。
 そんなときに小百合がハジキの前に姿を現した。
 「ハジキお兄ちゃん、こっちこっち」
 時々カタナと一緒にいるのを見たことはある。アラシの猫の子どもも確か引き取っていたことを何気なく思い出せた。
 女の子が突然訪ねてきたことで、クラスメートからからかわれ、逃げるように小百合についてきた。
 ハジキはため息をつきながら、仕方なしに小百合とナイトタウンの裏の裏へ足を運ぶ。
 「おいおいこんなところに連れてきてどうするつもりだよ」
 ぼやきながら小百合を盗み見る。こんな小さな女の子が来るようなところではない。
 ハジキがそうしている間に小百合の目的地に着いたらしく、小百合が「ハジキお兄ちゃん」と読んで急かす。ため息をつきながらハジキは渋々小百合のところまで歩いていく。
 「ハジキお兄ちゃん、ここで待ってて」
 「は?」
 そう言われてハジキは間抜けな声を上げる。
 「ハジキお兄ちゃんに会いたいって人がいるの」
 「そりゃど・・・」
と言いかけて考える。
 ここはナイトタウンの中でも最も危険場所。犯罪者が多く住まうところだ。こんなところに呼び出してきて合いたいとなると・・・。
 (それってやばい奴らかよ!?冗談じゃない!!)
 しかし小百合を置いて逃げるわけにもいかない。心の中で葛藤していると、足音が聞こえてくる。
 次第に近づいてくる足音に耳を澄まし、逃げる準備をする。
 冷や汗が流れるのが分かる。
 どうしてこんな日に、バイクじゃなかったのかと後悔する。
 ハジキは生唾を飲み込むと、ビルの向こう側から現れた一人の青年を凝視する。
 「カタナ・・・」
 「あっ、カタナきた。ハジキお兄ちゃん連れてきたの。一緒に遊ぼう」
 小百合が愛らしい笑みを浮かべカタナを見上げる。
 「お願いってそう言うことかよ・・・」
 ハジキが呟く。
 「ハジキ。何故お前がここにいいる」
 カタナが不適に微笑む。
 ハジキは苦い顔をしながら「連れてこられたんだよ」と言う。
 「やっぱりお前は俺と同類だ。こういう場所がよく似合う」
 そう言うと鼻で笑う。
 「俺はお前とは違う!」
 ハジキがムキになって反論する。
 「違わないさ」
 「違う!」
 ハジキとカタナが対峙する。
 その瞬間二人の間に小百合が割り込み、
 「カタナはハジキお兄ちゃんが好きなんだよ」
と微笑む。
 ハジキが「はぁ」と声を上げるが、カタナは微動もしない。
 その時だった。
 バンッ。
 鈍い音が辺りに響く。
 一回ではない。何回も何回も聞こえてくる。
 「な、なんだ!?」
 ハジキが驚いて辺りを見回す。
 「銃声だ。近くでやりあってるな」
 カタナは慣れているのか大したことじゃないと平然としている。
 「へぇ・・・。・・・て、ここにいるのはやばいんじゃないか?」
 ハジキの問いにカタナは「そうだな」と言った。
 「とりあえずどっかに隠れないと・・・」
 ハジキがそう言った瞬間、カタナはハジキの手首をつかみビルの影に身を潜ませる。少し狭いビルの影はカタナとハジキが抱きしめ合うかたちで入り込む羽目になった。
 「カタナ!!」
 カタナに抱きしめられるかたちになったハジキが声を上げる。
 「黙っていろ」
 「だけど」
 「ちっ」
 いちいちうるさいと言わんばかりに、口封じのためにハジキの口を閉ざす。おのれの口で。
 「・・・!?」
 ハジキは驚いて暴れるが、カタナの方が力が強くその抵抗は虚しく終わった。
 暫くしてカタナがハジキの口を解放する。
 「何すんだよ!!」
 カタナはからかうように指で顔をつかみ、
 「顔が赤いぞ、ハジキ」
と言う。
 「それはお前が・・・!」
 カタナはハジキの反論を無視し、ハジキをきつく抱きしめる。
 「な・・・」
 ハジキは驚くものも今度は抵抗しなかった。
 まだ辺りに銃声が響いている。
 逃げたくても、逃げられない状況だった。
 それに。
 カタナがいつもより近い人間に思えたから。
 今日は啀み合うのは、やめておこう。と不思議と思った
 そんな二人の姿を楽しそうに小百合がは眺めていることもじらずに・・・。

 END



その夜とかに、
 「どうしたのお兄ちゃん。ため息なんてついて」
 「別に。俺、寝るわ」
 そう言うとハジキは自分の部屋に入る。部屋に入ったハジキは瞬間変な物音を立ててなんか呟いている。
 「変なお兄ちゃん」
 サツキはそういうと牛乳を飲み干した。

なんてあったらいいな・・・。
ていうか、かなりの妄想の産物。イヤッホーイ!
カタハジ万歳!!
2008.12.10 あきな