ひとつとして、なくなっていい命なんてない。

 そう、教えてくれた人は。


 ――もういない。



あの命この命



 首を持ったまま考える。
 愛しい愛しい人の首。
 狂気と正気の狭間で、俺は生きている。


 「愛している、元堅……」
 もう、ただの塊となってしまった愛しい人。

 囁くは、狂気。


 「みんな、どうしてるのか…」
 願わくば俺のことなど忘れて、ただ国のために、民のために戦ってくれと願う。

 願うは、正気。



 ひとつとしてなくなっていい命なんて無い。
 解っていたのに、復讐に身を投じ、この手を血で染めた。
 その代償は、大切なものの命。
 「ごめんな…元堅……」

 青樺の頬に涙が一筋伝った。


 END

  


あとがき
青樺陵辱END後でした。
死んだ後に大切だったと気づく青樺。
反省しても、もう遅いことを悔い、続けられる快楽による支配に狂気と正気の狭間にいます。
仲間が助けにきてくれてもきっとその時には、手遅れなんだと思う。でも、国が平和になり民が笑っているのを見て、微笑んで欲しいな。
2007.6.17 かきじゅん