広がる世界



 目を閉じると、いろいろな音が聞こえてくる。
 今まで、目を閉じるときは寂しかったり、怖かったりするときだった。
 何故だろう?
 とっても不思議なんだ。


  「ルーク」
 ティアがルークに声をかける。
 「何かあるの?」
 不思議そうに、顔を覗き込む。
 ルークは頬を少し赤くして、苦笑した。
 「いや、目を閉じるといろいろな音が聞こえるんだと思ってさ・・・」
 笑われるかと思ったが、ティアは優しくほほえみかけ、
 「えぇ。聞こえるわ」
とだけ返した。
 「世界って広いな・・・」
 「でも、あなたの世界は広がったわ」
 「そうかな?」
 ルークは確かめたくて聞いてみた。
 「えぇ。あなたはあなたの家の中しか知らなかった。今はどう?たくさんの人に知り合い、いろいろな町に行ったわ。・・・沢山のことを、経験した」
 「たくさん・・・」
 「あなたの世界は広がって、今も広がってるわ」
 ティアはそれだけ言うと黙って隣に座った。
 しばらく黙って外を眺めていたが、ティアが静かに、
 「仲間もいるわ」
と小声で呟いた。
 「あぁ」
 ルークは嬉しそうに頷いた。
 人の温かさ。
 それが俺を変えた。
 俺は忘れずにいよう。

 END


  


初TOA小説。ガイルクにしようと思いつつ、できあがったのはルーク&ティアでガイ様出番無し。(死)
気が向いたら、ガイ様編も・・・

2006.7.29天神あきな