かけてくる足音は、愛しいあの子。



 今日は、どんな顔をして駆け込んでくるのだろうか…。



 『トリック・オア・カレー!!』 サタン編




 「トリック・オア・カレー!!」

 突如としてそう言ったアルルに、サタンは固まった。
 「は!?」
 目をぱちくりさせて、それはもう少々間抜けな顔で固まった。
 一瞬のでき事で、意味が良く理解できなかったからだ。
 「とりっく・おあ・かれー。だって、今日はハロウィンでしょ?」
 固まるサタンに、アルルはぷぅと、頬を膨らませた。
 「……」
 普通はTrick or treatじゃないだろうか…。
 しかも仮装しながら、家々を回って、お菓子を貰うという行事のはずだ。
 すっかり考え込んでしまったサタンに、「あ〜も〜!」と、アルルはプリプリ怒っていた。
 「カレーくれなきゃ、いたずらするぞ!」
 MYスプーンをもって、力説するアルルを、サタンはふわりと抱き上げた。
 「普通はおかしじゃないのか?」
 すっぽりおさまる小さな少女。
 クス…と笑うと、真っ赤になって照れる。
 「だって、ボクはおかしよりカレーのほうがいいもん」
 一生懸命、言い募るアルルの頬にキスを一つ。
 「ひゃぁ」
 突然のキスに、うれたイチゴのように顔を紅くする。
 「さすがに、カレーはないな…」
 そうつぶやいたサタンに、アルルはウキウキと、
 「じゃぁ、トリック!」
 と叫んだ。
 その突飛なところも、明るい彼女の魅力の一つ。

 来年は、愛しい君のために、カレーとお菓子を用意しよう。
 約束するよ。



 END



 

 


急ごしらえハロウィン企画っ!!
この、月末請求で忙しいさなかに、俺はいったい何をしているのでしょうか…。
とりあえず、昼飯食いながら書いてみました。
今日一日で、どれだけのジャンルとカップルが書けるかな〜。
第一弾は、風邪で寝込んでいるあきなへ
2006.11.1 かきじゅん