はにコネ20のお題A畑・帝千編
A 畑
青軍史上最悪の寒波が訪れた。
寒波といっても、寒いのは体ではなく懐である。もしくは台所というべきか…。
「ふう」
青樺は鍬をおろして、汗をぬぐった。ギラギラと照らす太陽に、汗がきらりと光った。
所々の物陰から、「ぐふぅ」とか、「ちょっ…」とか、「ああ…v」とか、うめき声やらなんやらが聞こえてきたような気がしないでもないが、青樺はまったく気にしていなかった。
城の中のいたるところに、ちょっとでも食費のたしになれば…と、畑を作ったのは青樺である。
「さて」
青樺は鍬を抵当な木に立てかけて、先ほど引っこ抜いたマメを木陰に移動させた。
少し大きめのかごを持ってきて木陰に座り、マメをもぐ。
「どうせ、塩茹でにして、元堅あたりが酒のあてにしちまうんだろうな」
とりあえず、枝豆をもぐ。
文句は言うが、青樺の表情は明るい。なんせ、元農民である。野菜と戯れているほうが、心が落ち着くのは当たり前であった。
後は夏野菜と、芋と…。青樺は、マメをもぎもぎしながら考えていた。
「いっそ、市場にでも売りに行くか…」
青樺の呟きは、風に乗って去っていった。
その後、野菜をそれはとてもとても熱心に売る青軍兵士の姿があったとか…。
END
というわけで始まってしまった、はにコネ20のお題・帝千編。第二話。
かきじゅん食いついております!
ガブ〜
2006.9.8天神あきな