敵だった。


両親を殺され、好敵手を殺され、名付親までも失った。

憎かった。
全てを奪い去る、お前が憎かった。

憎くて
憎くて
恨めしくて。

強い、憎悪の感情。

とてもとても憎かった。
そう、

憎かったんだ。



「憎かった…」
  

「敵、だった…」



いつだろう。

『憎い』ではなく、
『敵』ではなく。

現在進行形ではなくなった。


いつだろう。

全てを奪おうとする、きみを愛したのは、いつだっただろう。



奪えばいい。

壊せばいい。



そうしたら、
僕はこの気持ちと共に君を殺そう。


そうしたら、
僕を、



殺してね。


セラフィナイトの十六夜様から頂きました。ヴォルハリ小説です!!
実はこの小説はあきなとはにわの誕生日祝いの小説・・・。
ずっと待ってましたよ。十六夜さん!!
これからもヴォルハリ友達・・・というかオタク友達でいて下さい。
2007.2.13あきな