おまけ
「おい、ハムを見なかったか?」
「アーネスもだ」
野営地は先ほどまでの静かな空気が消え去り、慌ただしくなっていた。
ハムとアーネスがいないのだ。
「ハムとアーネスを知らないか?」
オネストがドグに聞く。
「あそこの大きい木のところ思いますよ」
作業を止めず、返事をする。
「野営地をでたのか?」
近くにいたリカルドが木がある方向を見ながら言う。
「私がしっかりアーネスちゃんをみとけばよかった・・・」
横でキャムウェイは項垂れる。
「おまえのせいじゃない」
リカルドがはっきり言う。
「あれは・・・!」
ドグが野営地の入り口を見ながら呟く。
小さな明かりが見える。
そこからアーネスを支えたハムの姿が見える。
二人の姿を弱々しく照らす、小さな明かりはアーネスが持っている石から放たれていて、石には何者かが魔法をかけたのだろう。
「ハム!アーネス!!」
一斉に野営地の入り口にかけ出す。
「勝手な行動は慎め」
リカルドが冷たく言う。
ハムとアーネスは互いに苦笑する。
「とにかく、二人とも無事でよかった」
アーネスの怪我の具合を確かめながらオネスト言う。
「アーネスの怪我は?」
「薬草がはってあるから、すぐよくなると思うよ」
オネストがアーネスの左腕を見ながら言う。
そんな人垣を乗り越え、
「ハム、聞きたいことは聞けたのか?」
ルソーが聞く。
「あぁ」
「薬草役に立ったみたいですね」
そこにドグが現れ言う。
「ドグ!」
「あぁ、役に立ったよ。それにしてもはめられたよ。あの布の中身に」
残った布をひらひら見せながら、肩をすくめる。
中に入ってたのは、魔法がかけられた石で、野営地まで戻る間、アーネスが持っていた石だ。淡い光を今も出している。
「それはよかった」
ドグは声を上げて笑う。つられてハムも、アーネスも、ルソーもオネストも、リカルドもキャムウェイも・・・みんな笑い出した。
そして思い出したように言う。
「あの木の言い伝え、本当だった」
「そうですか、本当によかった」
横からアーネスが吹っ切れた顔で言う。
「効果抜群だった!」
調子がのってきたのか、アーネスにつられる。
「罰はまた明日考えよう。今日は休もう」
そう言うとみんなわらわらと持ち場に戻る。
野営地に戻る前にもう一度、木を見る。
そして誰にも聞こえないように、
「ありがとう」
と笑顔を向けた。
END
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おまけ編も終了。
最後はやっぱ仲間の元へ帰らなければ。
ちなみに布の中身は、おまけ編をよくよくよめば想像できます。
ついでにドクとルソーがでまくってるのはやはり愛。
2007.5.3天神あきな