不器用な優しさ


 野営地にたき火がごうごうと響く。
 夜は静かでかすかに傭兵達の寝息が聞こえる。
 見張りは眠らないように必至で起きてはいるが、こくりこくりとしている。
 何故か目が覚めてしまったキャムウェイは、半分眠っている見張りの代わりにたき火に薪を入れた。
 「おかしいな。今日も沢山動いたから、疲れて眠いと思ってたのに・・・」
 やけに目がさえてしまって、二度寝する気にもなれない。
 軽くため息をつきながら、ごうごうと燃えるたき火を見た。
 (今日、無茶しすぎたかな・・・)
 まだ痛む身体をなでながら思う。
 キャムウェイは重戦士だ。必然的に戦闘では最前列になる。しかし重戦士は重い鎧を着ているので、物理防御には適しているが、極端に機動力がない。また魔法に弱い側面を持つ。
 今日の戦闘では、魔法と妖魔の攻撃を激しく受け無茶な戦い方をしてしまった。
 (だって、後方にはいけなかったんだから仕方ないじゃん・・・)
 後方には魔術師を討つため、アーチャー達がいた。
 アーチャーは接近戦ができないため、どうしても重戦士や戦士の盾が必要だった。
 無事に終わったから「まあ、いいか」と思ってたら、戦闘が終わってすぐ、リカルドからきついお説教を受けた。その時は「なんでそんなことを言われなきゃならないの!」と怒ったが、今更ながらリカルドの優しさ、気遣いに気がついた。
 「私を心配してくれているのに・・・」
 膝に顔を埋めながら、「私って、最低・・・」と呟いた。
 明日、どんな顔でリカルドに会おうか。
 なんて声をかけようか。
 そんなことを考えながら、知らず知らずキャムウェイは眠ってしまった。

 
 「・・・ん」
 朝の光がまぶしくキャムウェイを照らした。
 あまりのまぶしさに目が覚めた。辺りを見回すと、見張りがいたたき火の跡が見えた。どうやらあのまま眠ってしまったらしい。
 心配した仲間の誰かがかけてくれたのだろう、毛布をキャムウェイにかけてくれてあった。
 「寝ちゃったんだ」
 我ながら恥ずかしい。
 やはり、疲れていたようだ。
 「あ、おはようございます、キャムウェイさん。目が覚めましたか?」
 偶然通りかかったオネストが声をかけてきた。
 「うん、おはよう。オネストくん」
 キャムウェイも目をこすりながら答えた。大きく背伸びをすると、毛布が視界の隅に入る。
 「毛布。オネストくんが?」
 オネストに聞いてみると、
 「リカルドさんです」
と笑って返した。最後に「こんなところで寝るな」と呟いていたと付け足して、オネストはレニスの元に朝の打ち合わせに言った。
 ・・・また、やってしまった。
 頬を赤くするが、過ぎてしまったことは仕方ない。
 視界にリカルドの姿が見えた。
 (お礼を言わなくちゃ!)
 キャムウェイは立ち上がって、リカルドのところに歩み寄る。
 「おはよう、リカルド」
 笑顔で言うと、
 「ああ」
とリカルドはぶっきらぼうに答えた。
 ぶっきらぼうに答えたリカルドの口元が、ほのかに笑っていた気がした。


 END



書いてからも早一年たってました。
はにわがリカキャムが好きなので、「そのうち書くよ」と言いながら、かいてパソコンに打ち込んでなかったです。
私の一番はハムアーですが、リカキャムも好物です!!

2009.11.19 天神あきな

追伸:はにわさんがかいたキャムウェイがみたいです。